『DIE WITH ZERO』

40代のお客様から読んで感想を聞かせてと言われたもの。
私なりに感じたことをつらつら書きました。ちょっと長いです…。

まえがきの「アリとキリギリス」のお話。
前職にて先代の社長がいつも言っていたことでした。

夏は若くて元気な現役時代。実は思っているよりずっと短い。
そこで冬の長い老後の心配ばかりで楽しむことをせず疲弊して働くだけのアリでいいのか。
私たちFPが伝えないといけないのは、『夏を楽しみつつ冬の備えもしっかりする賢いキリギリスを目指すこと』、そのためにもライフプランの普及がこれからますます重要になること。
それを目の前のお客様はもちろん、未来のお客様にもずっと伝えることだと。

ただその先代の社長はほんとに仕事大好き人間で、まるで生き急ぐように、でも心底楽しんで『お客様のために』とほとんど休むことなく。54歳の時の人間ドックでがんが見つかり、2年も経たずに56歳で亡くなりました。
結構…というか、かなりショックでした。私が地元の石川から滋賀に来るきっかけになったのも、この人と働きたかったからなので。

もっともっと長く一緒に仕事したかったので。身内でもめでたい年齢で亡くなった人しか知らなかったので、あんなに元気だったのに、まだまだ若くてやりたいこともたくさんあった人なのに、こんなふうに死ぬのだ、そしてこんなにお金もかかるし、ご遺族にも、会社にも、たくさんのお客様にも多大な影響が出るのだと思いしらされました。

それからの私は、まずがん保険を見直してもしもの治療費に備えることをしました。
そして先代と同じように爆裂仕事ばっかりだったのですが、オンオフをしっかり切り替えようと決めました。
やりたいことは一日でも早く若いうちにやらないといけないと思いました。
(私も仕事大好きです。なので意識しないとほんとに仕事オンリーになって、家の中とかプライベートがほったらかしになる性分なのです・・・。)

さらに社内でいろいろあったのも事実ですが、私には人の上に立つ素地はなく、組織は合わないと思い知りまして、47歳で今しかないと退職し独立することになりました。で、今に至ります。
独立して6年目を迎えていますが、Aさんご一家をはじめたくさんのお客様に支えられているおかげで、こうして仕事して生きていることができています。本当に感謝感謝です!ありがとうございます。

そんな経緯があったので、1ページ目から首もげるかというくらい納得しながら読み進めていました(笑)
先代の社長が言っていたことばかりが書いてありました。
それをできるところから少しずつ実践して生きてきたので、なんだか答え合わせをするようでした。

日本はますます自己責任が問われる国へ

今の日本人って不機嫌に生きている人多いです。
こどもの自殺とかも多くて、若い人が未来に希望を持てない国ってどうなんだろうと思います。

0歳から100歳以上までの人が混在して生きているので、ジェネレーションギャップも何代ある?っていうくらい、多様性を認めるとか寛容になるっていうことがまあなかなかハードな国になっていると思います。
自分の機嫌は自分で取るしかないですし、過去と他人は変えられないので、まずは目の前の今、できることからやるしかないですよね。なんといっても今日が人生で一番若い日ですし(笑)

ただこれからも経済成長の伸びしろがあるアメリカと国力がどんどん衰えるであろう日本ですので、資産を取り崩すタイミングや(実際には不可能ですが)ゼロで死ぬというのは、ちょっと違うかなと思いました。

間違いなく社会保障はどんどん寂しくなりいずれは危機的状況になっていくので、人生の攻めである『資産運用』と守りである『保険・保障』の部分はバランスがより重要になると思います。
そして、ますます自己責任が問われる国になるでしょう。

できるだけ長く健康でいること、自分だけでなくお金にも働いてもらうこと、時間は有限であること(特に若い時)、人は一人では生きられないこと(コミュニティ大事)、これらを意識して実践できる人たちがより自分らしく機嫌よく生きていける世の中になるのかなと感じています。

いろいろ問題山積ですが、それでも日本はまだまだいい国だと思います。
治安がいいし、清潔だし、安くていいものいっぱいあるし、民度は高いし、親切な人多いし。
海外旅行から帰るといつも思っていました。アメリカ赴任されていたAさんからはどのように見えるでしょうか。

もう間に合わないような気もしますが、少なくとも私自身や私の身近にかかわる人たちが少しでも機嫌よく生きていけるような環境をFP的見地からお手伝いできたらいいなと思っています。
それが私の仕事なんだと自負しています。

今年から新NISAも拡充されました。投資運用がもっともっと身近になっていくでしょう。
ただ損得勘定に陥りやすいので、出口戦略がすごく重要になると思います。
そして、投資の原資は働いて収入があることが大前提です。
なので、ライフプランと万が一の保障があってこその投資運用だと思います。

Aさんも「自分がいかに昭和の働き方、考え方しか知らなかったか」とショックを受けられていましたが、なんのために生きるのか、どんな毎日だったら安心して機嫌よく生きられるか、改めて考えてみられたらよいかと。

そう思うとアンパンマンの歌はすごくよくできていますね(笑)

こんな感じですがいかがでしょうか。
よい本をご紹介いただき、ありがとうございました。すごく刺激になりました。
新幹線の中でアドレナリン噴き出して読みました。『もっといい仕事したい!』って思いました。
マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を観たとき以来、震えました。

私は、メルカリで売らずに大事にバイブルとしておいておきます。ってかメルカリのやりかたわからんので。
(Aさんは読後とっととメルカリで売ったらしいです)